SUBARU NBRチャレンジがスタート。初年のインプレッサWRX STI(GRB)は総合57位・クラス5位
RESULT
- YOSHIDA TOSHIHIRO
- MATSUDA HIDESHI
- HATTORI NAOKI
- MATSUDA KOHJI
DETAIL
SUBARUのテーマである「安心と愉しさ」を追求するため、SUBARU(当時、富士重工業)とSTIはツーリングカーレースの最高峰と言われるニュルブルクリンク24時間レースに出場することを決定。出場マシンは、2007年10月に発売された第三世代のSUBARUインプレッサWRX STI(GRB)をベースに量産車としての素性を残しながら、レース使用に耐えられる最低限の装備を架装した車両としました。それはニュルブルクリンクが、世界の公道のあらゆる要素を兼ね備えたトラックであり、SUBARU AWDマシンの本来の姿で勝負するにふさわしい場だと考えたからです。EJ20ボクサーターボエンジンは量産エンジンそのものを活用しており、WRCでエンジン開発に携わったエンジニアがチューニングしましたが、高回転域のパワーよりトルクを重視した使いやすいセッティングとしています。NBR24時間挑戦チームの監督にはSTI車両実験部長(当時)の辰己英治が就任し、ドライバーには経験豊富な吉田寿博、松田秀士、服部尚貴、松田晃司を起用しました。なお、インプレッサWRX STIのクラス区分は、欧州の主な強豪車種が集まるSP6(換算排気量3~3.5L)でした。
公式予選は小雨まじりの中行われ、まずは4人のクォリファイを済ませるためそれぞれ2周ずつ走行。それだけで約1時間半を費やすことに。走行時間が少ないため、タイムアタックに専念することも決勝用セットアップを詰めることも難しいのです。これがニュルブルクリンクの難しさと言えるでしょう。最速タイムは、ニュルでの経験値の多い吉田が記録したもので、10分15秒082でした。決勝レースは、序盤に降雨がありましたが、やがて曇り空ながらドライコンディションに戻りました。しかし、スタートから約5時間が経過した午後7時55分過ぎに松田(秀)が「エンジンがストップした」と伝える。オフィシャルに牽引されてピットに戻ったマシンは、なんとガス欠症状でした。さらにその後、水温上昇のためにタイムロスを喫しましたが、その後は夜の雨もAWD性能を生かしてじわじわとポジションをアップすることに成功。24時間を走りきってSP6クラス18台中5位、総合216台中57位という成績を残しました。総走行周回数は、2005年と同じ124周でした。
この年ドライバーとしてチームに加わった松田秀士は、「スタート直後のスティントは緊張の連続でしたが、夜が開けてからはリズミカルに走れました。最後に納得いく走りができ、クルマと一体になれたことに僕は満足しています」と語っています。
MACHINE
- ベース車両
- SUBARU インプレッサ WRX STI(GRB型)
- 全長/全幅/全高/
ホイールベース - 4,415mm / 1,795mm / 1,435mm / 2,625mm
- 車両重量
- 1240kg
- エンジン
- EJ20 BOXER DOHC 16バルブ AVCS ツインスクロールターボ
- 総排気量
- 1,994(cc)
- 最高出力
/最大トルク - 320ps@5500rpm /47kgf-m@3000rpm
- トランスミッション
- 6MT
- クラッチ
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- ステアリング
- ラック&ピニオン式
- タイヤ / ホイール
- DUNLOP 240-660R18 / BBS 18インチアルミ鍛造ホイール
- ダンパー
- BILSTEIN
- ブレーキ
- BREMBO(フロント4ポット、リヤ2ポット)
- ブレーキパッド
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