悪天候に翻弄された24時間。
SUBARU WRX STIは驚異的な追い上げでSP3Tクラス2位に
RESULT
- YOSHIDA TOSHIHIRO
- SASAKI KOTA
- LASEE MARCEL
- VAN DAM CARLO
DETAIL
5月第三週の週末がドイツの国民祝日と重なったため、この年のニュルブルクリンク24時間レースは5月19日(日)~20日(月)の変則スケジュールで開催されました。
STIエントリーのSUBARU WRX STIには、同レース出場7回目の吉田寿博を筆頭に、同3回目の佐々木孝太、同4回目のカルロ・ヴァン・ダム(オランダ)、そして、前年レース後に不慮の事故で他界したマルセル・エンゲルスに代わり友人のマルセル・ラッセー(ドイツ)の4人がドライバー登録されました。17日・18日に行われた公式予選では、クラス2位につけました。地元ドイツ勢はなんとしてもSUBARUのSP3Tクラス三連覇を拒みたいところでしょう。日曜日の午後5時にスタートした24時間レースは、穏やかな天候のもとで開始しましたが、その後天気は急激に悪化していき、午後11時前には強い雨と深い霧のためレースは中断されてしまいます。その後朝まで天気が回復することはなく、夜明けを待って朝8時過ぎに再スタートすることになりました。しかし、雨はその後も降り続け、タイヤ選択などで各チームを悩ませ続けます。
クラス2位でレースをスタートしたSUBARU WRX STIは、予選首位のアウディTT RSと抜きつ抜かれつの攻防を続けてきましたが、路面がヘビーウェット状態となった時にSUBARU WRX STIのペースが上がらず、地の利があるライバルとの差をむしろ広げてしまいます。再スタート後、この差を縮めるべく各SUBARUドライバー達はプッシュを続けました。後半には、グランプリコースはウェットながらノルドシュライフェの大半の路面が乾いている、という状態から勝負に出ます。2WDのライバルが浅溝タイヤで周回する中、AWDならではの安定性を活かし、敢えてスリックタイヤでライバルとの差を縮める作戦をチョイス。その結果、レース終了まで残り2時間の時点で7分あったタイム差を一気に短縮。最終周には54秒差まで追い上げました。しかし、その時点でタイムオーバー。総合26位・クラス2位でチェッカーフラッグを受けることとなりました。
STI総監督の辰己英治は、「タイヤ調整のセッティングを誤り、本来AWDが本領を発揮すべきウェット状態の路面でライバルに引き離されてしまったのが敗因と言えるでしょう。後半は、ようやくタイヤもクルマもパフォーマンスを働かせるようになり、さらに各ドライバーが難しい条件の中スーパータイムで追い上げてくれたことは良かったと思います。SUBARUファンの皆様のご期待を集めながら、この試合を落としたことはとても残念です。より強いチーム、より強いマシンでこのニュルに戻ってきたいと思います」と語っています。
MACHINE
- ベース車両
- SUBARU WRX STI (GVB型)
- 全長/全幅/全高/
ホイールベース - 4,580mm / 1,855mm / 1,400mm / 2,625mm
- 車両重量
- 1,200Kg
- エンジン
- EJ20 BOXER DOHC 16バルブ AVCS ツインスクロールターボ
- 総排気量
- 1,994(cc)
- 最高出力
/最大トルク - 250kW(340ps)/5500rpm 461Nm(47kgf-m)/3000rpm
- トランスミッション
- 6MT
- クラッチ
- -
- ステアリング
- ラック&ピニオン式
- タイヤ / ホイール
- DUNLOP / BBS 18インチマグネシウム鍛造ホイール
- ダンパー
- BILSTEIN
- ブレーキ
- AP(フロント6ポット、リヤ4ポット)
- ブレーキパッド
- ENDLESS