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STIからのお知らせ
2020/02/27

STI、2020年レース参戦車両の概要を発表

スバルテクニカインターナショナル株式会社 (STI、社長:平岡泰雄)は、2月26日に2020年のレース参戦車両であるSUBARU WRX STI (ニュルブルクリンク24時間レース)およびSUBARU BRZ GT300(SUPER GTシリーズ)のシェイクダウンを実施しました。

 5月21日(木)から24日(日)にドイツで行われるニュルブルクリンク24時間レースでは、2009年から継続しているSP3T(排気量2リットル以下のターボモデル)クラス3連覇、過去最多周回数の実現、クラス最速ラップタイムの更新などを目標に掲げており、国内最高の人気を誇るSUPER GTシリーズでは、GT300クラスのシリーズ優勝を最大の目標に掲げています。いずれも、SUBARUの共通テーマ「安心と愉しさ」をモータースポーツの場で実証することで、SUBARU車の特徴である低重心な水平対向エンジンとシンメトリカルレイアウトがもつ基本性能の優位性をアピールします。「安心と愉しさ」の基本的な考え方は、ドライバーが車両を手足のように自在にコントロールできる性能を意味しており、これはロードカーもモータースポーツ車両も同じだとSTIでは考えています。今シーズンは、これまで同様に高い目標を掲げることで、世界中のSUBARUファンにSUBARU車を所有する誇りを提供し、SUBARUブランドのさらなる向上に寄与します。


【SUBARU WRX STI NBR CHALLENGE概要】
目標 : 2011年以来7度目、2018年から3連続となるSP3Tクラス優勝、過去最高の総合順位18位以内を狙う

この目標を達成するための課題としては、以下の3点を掲げています。
① 予選タイムのクラスコースレコード(8分56秒)の更新
② 全スティント9ラップ(約225km)
③ 過去最多周回数(146周の更新)

これらの課題をクリアするため、給油タイムロスを削減するシステムおよびEJ20エンジンの燃費の改善、サスペンションジオメトリ変更(ロールセンターおよびアッカーマンの適正化)、ブレーキ性能の改善(フロントブレーキの小型化による軽量化、新ABSシステムの採用など)、空力性能の改善(フロントフェンダールーバーの大型化と車両全幅のナロー化、吊り下げ式リヤウィングの採用、フロントカナードの2枚化、サメ肌塗装のリファインと領域拡大など)、リヤ部応答性の向上、タイヤおよびホイールの最適化などを実施し、2019年秋より続けている開発テストで目標性能の達成を確認しています。
 本年ニュルブルクリンク24時間レースに出場するSUBARU/STIチームのドライバーは、カルロ・ヴァンダム(オランダ)、ティム・シュリック(ドイツ)、山内英輝、井口卓人の4名となっており、チーム総監督はSTIの辰己英治が、チームを運営する監督はSTIの沢田拓也が担当します。

■辰己英治総監督のコメント
「本日のシェイクダウンテストでは、車両はほぼ今年の24時間レース仕様に仕上げて臨むことができました。ノートラブルでしたし、クルマの仕上がりに関してはドライバーからもポジティブな感想が得られました。一部コース(100R)が朝からウェット部分を残したままだったので、タイムアタックするまでは出来ませんでしたが、細かなセッティングを詰めていくことができ、予選の方向性は見えてきたと言えるでしょう。あとは3月に最終仕上げとその確認のためのテストを行い、ドイツに向けてクルマを送り出すこととなります」

【SUBARU BRZ GT300 2020概要】
目標 : SUPER GT GT300クラスのシリーズ優勝を狙う

目標達成のための技術的課題として、以下を掲げています。
① エンジンの耐久性・信頼性の向上、重心高の変更、
② タイヤ特性の向上とメカニカルグリップの向上
③ 空力・制動性能の向上

 そのため、EJ20水平対向ターボエンジンは設計・組み立て・運用管理方法を見直し、タービンや排気系に合わせた制御の適正化、パワーユニット全体の低重心化を実施しました。特にBRZ最大の特徴であるコーナリリングスピードの速さを最大限に活かすため、エンジンからトランスアクスルまでを含むパワーユニット全体の搭載位置を下げると共に、慣性モーメントのさらなる低減を図るため、車体カウルパネルの軽量化、電装補機類のレイアウト変更などを実施。また、テクニカルパートナーである住友ゴム工業との共同開発体制を強化することでコース特性にマッチしたタイヤの開発を目指し、シャシー側も対地キャンバーの適正化を図るためのサスペンションジオメトリの改善、前後サスペンション取り付け部の剛性アップなどを実施しています。また、コース特性に合わせて空力性能を細かくコントロールするため、フロントスプリッター、リヤディフューザーの形状改良、カナード類の形状変更などを行い、また、制動性能を改善するため前後ブレーキバランスの最適化、ABSシステムの改善などを盛り込んでいます。

 SUBASRU/STIのテクニカルパートナーであるR&D SPORT(本島伸次代表)からSUPER GTシリーズにエントリーするSUBARU BRZ GT300は、井口卓人と山内英輝がドライブし、総監督はSTIの渋谷真が務めます。

■渋谷真総監督のコメント
「予定したメニューを消化することができ、今回のテストはとても有意義なものとなりました。気温・路温ともに想定よりも低かったため100%完全だったとは言えませんが、本年シーズンを戦うベースとなるタイヤが良いことがわかり、手応えを感じています。数日前に鈴鹿でもテストを行なっており、そこではドライバーたちからは良いインプレッションを聞けていたのですが、この富士でも良い印象だったのでひと安心です。開幕戦岡山までにはさらに精度を上げ、しっかり準備をして臨みたいと思います」

■平岡泰雄STI社長のコメント
「ここまでは、両車とも順調な仕上がりを見せており、幸先良いスタートだと思っています。特に、SUPER GTは、昨年シーズンにファンの皆様をがっかりさせてしまったので、信頼回復をしなければなりません。今回のテストで、オフシーズンの間に積み上げた改良が、確実に良い方向に向かっており、よい感触を得ています。このまま玉成してシーズンを迎えたいと思います。また、NBR車につきましても、ここまで順調に推移しており、信頼性に磨きをかけ、さらに速さを追求する目標に向かってこのまま計画通りに仕上げて行ってもらいたいと考えております。本日は、お客様にテストの様子を見ていただくことができず、楽しみにされていた皆様には大変申し訳ありませんでした。しかし、両車とも確実に仕上がっております。今シーズンのSUBARU/STIに、ぜひご期待ください」
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