今回はフォレスターエアロパーツについて解説いたします。
みなさんは「エアロパーツ」そう聞いてどのような効果を思い浮かべますか?
「風を味方につける」とは具体的にどういうことなのでしょうか?
STIのエアロパーツの効果は特に高速走行時において、風の影響による車体のブレを軽減します。結果、修正舵が少なくなる、車体がフワフワするような感覚を減少させるなど、車が「まっすぐ進むようになった」を体験することのできるパーツです。
レースでは、渾身の1周回より毎周回速いことが求められます。つまり風の影響を極力廃して、「思ったように車が進むこと」「車体が安定していること」をエアロパーツによって実現する。ドライバーが安心できて「疲れにくい車」を設計することが重要です。まさにそれがSTI / SUBARUの基本的な設計姿勢「安心・安全」なのです。
「長距離移動の時に、運転が少しでも楽になれば・・」とのお客様の声にお応えすべく、まさにSTIがレースにて培ってきた技術を生かし、風による影響を軽減し「安心して安全な運転ができるよう」パーツを設計しています。
※STIのエアロパーツはSUBARU車の安全装備、アイサイトや歩行者保護エアバッグなどの動作を妨げないよう、実験を繰り返し設計されております。
①フロントリップスポイラー
バンパー下に装着するスポイラーで風を受け、スポイラーが地面に向かって押し付けられることで、ダウンフォース(車を地面方向へ押し付ける力)を生みます。
高速度で車が走る際、空気が車体下へ流れ込むと、飛行機と同じように車体を浮かす方向に揚力が働きます。車体が浮くとタイヤが地面を捉える力が減るので、安定感が損なわれます。そのため如何に適切なダウンフォースを発生させるかを考え、風を斜めに受ける形状となっています。
②フロントサイドアンダースポイラー
レースに参加している車両によくみられる、「カナード」と同様の効果が得られます。せり出しているフィンにより、高速な風をホイール周辺に生み、負圧(圧力差)によってホイールハウス(ホイールが取り付いているくぼみ)内の空気を外へ吸出します。高速度で動いている車はホイールハウス内で乱流が発生し、小さな轍(わだち)にハンドルが取られる様に、細かい修正舵が発生してしまうことがあります。
そのため、ホイールハウス内の乱流を整えることは、レースにおいても非常に有効な知見なのです。図1はホイール周辺の風の速さを表しています。フロントサイドアンダースポイラーを取り付けている、フォレスターはホイール上部から、緑色の風が外に向かって抜け出ていることが分かります。
③サイドアンダースポイラー
サイドアンダースポイラーはドア下のサイドシルに取り付けるパーツです。
図2をご覧ください。フォレスターにかかる風の向きと速度を表しています。左がエアロ未着用車です。
エアロ着用車はドア周辺を通る風が、車体に密着していることが分かります。ここで乱流が発生していると、ランダムに車が左右に押されてしまい、車のブレにつながります。サイドアンダースポイラーにより、車体周辺の風を整え、安定性を高めています。
④エアロガーニッシュ
小さくても本エアロシリーズで非常に効果が高いと実験結果の出ているパーツです。
図2から見て取れるように、リア(後部)ホイール部分を流れる風が、整えられており車体後方へキレイに流していることが分かります。
⑤リアサイドアンダースポイラー
雪山や泥道を走った後、リアゲートが泥まみれになっていることはありませんか?走行中、車後部を流れる風がリアゲートに向かって巻き込まれているからなのです。
この巻き込まれた乱流は車を後部へ引っ張る力(ドラッグ)が加速などの走行性の邪魔をすることがあります。そこで後部にスポイラーを装着することによって、車体になぞってリアゲートに巻き込まれる乱流を、より車体から離れたところで発生させて改善しています。